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68章「売ることをやめるということ」

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68章「売ることをやめるということ」

普段は一人で出張し、お客様のところへ訪問する私だったが、今日は本社から教育のためにスーパー営業マンと称される先輩社員が同行していた。

この日の4件の訪問に同行して頂いたスーパー営業マンからこういったアドバイスを頂いた。

「お客様に対して興味が薄すぎる。」

訪問してお客様と話しているとき、売ることばかりに気を取られ、お客様のために何ができるのかを考えられていない。

その結果、お客様との会話も少ないし、元気もない。淡々とお客様の仕事の何を改善できるのかという机上の空論ばかりに目が行ってしまっていた。

こうやって車内とかで話してる時のほうがいいよ。

お客様との訪問とプライベートでの会話は全然違うとのことだった。

プライベートでの会話を思い出してみて。

そう言われて、私の中でコペルニクス的転回が生まれた。

 

確かに私は、売るためにどうすればいいか。それだけを考えてきた。

毎週、営業に関する本を読み、誰よりもどう売ればよいかを考えてきたつもりだ。

けれど、これはお客様のための提案とは違ったものであった。

お客様の立場になって考えられていなかったのだ。

 

机上の理論ばかりに気を取られ、お客様にとってはどうなのか?どう感じるのか?を考えるには至っていなかった。

私が売る機械も、お客様にとってどんな役に立つのか、何故、必要なのか。

その考えがほとんどなかった。

対お客様という考え方がなかった。

機械が売っているのと同じなのである。

 

これに気づいた私は今後どうすればいいのか。

簡単である。

どうすれば売れるのかを考えるのはやめる。

私が売る商品がどう役に立つのか、

それだけを考えたい。お客様のために。

 

 

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